長管は難しい、でもやっぱり吹いてみたい普通長管といえば最長でも２尺３寸（実寸は２尺４寸）のA管をいいます。横山勝也師が古典本曲をA管で数多く演奏されています。すべてを包み込む暖かい音色から空間を切り裂く鋭い音まで長管には独特の世界があります。前回はそのA管よりも１音低いG管を出品しましたが、今回はさらにそれより半音低いF♯管です。長さは84cmありおそらく普通の体格（身長170cm）の人が扱える最長の尺八ではないでしょうか。腕の短い人や手の小さい人は諦めてください。私も塞ぎにくい部分はパテで盛ってなんとか吹くことができました。地の底から湧いて出るような低音はやみつきになります。
地無し長管を作っている人がおられました3年ぐらい前に古典本曲を低音でじっくりと吹きたいなと思って探していところ、そのような尺八を作っておられる方をオークションで発見しました。かなり年季の入った方で作品は豪快かつ丁寧です。現在は「桜華」という銘で時々ヤフオクで出品されています。（本品には印がありませんが、同一作者です。）地無し尺八は製作が難しくピッチに関しては試行錯誤の繰り返しだそうですがなかなかのクォリティです。長管なので太いですが極端に重くはなく、吹き口も「息返し」があるため開口部の大きさは標準的で音が出しやすいです。指孔はチドリに振っていますが指孔間隔が広いので入札の際は十分ご検討ください。
【諸元】長さ 840mm 重さ565g 頭部直径44mm 底部直径70mm歌口 内径縦21mm 横22mm エッジまでの深さ約3m 最大指孔12mm 歌口キャップ付き